奨学生の声

いい悩み、悪い悩み

中村駿太朗
留学先大学:Lake Forest College (イリノイ州)
2027年卒業予定
専攻:Neuroscience and Biology
出身高校:渋谷教育学園渋谷高校 中村駿太朗
留学先大学:Lake Forest College (イリノイ州)
2027年卒業予定
専攻:Neuroscience and Biology
出身高校:渋谷教育学園渋谷高校

みなさん、今何か悩んでいることはありますか。私の知り合いに会うたびに悩みはないかといつも聞いてくれる方がいます。月一くらいでお会いするのですが、その度に悩みを聞かれるので最近では会う前に何か面白い悩みを用意しないといけないという謎の緊張感を感じています….笑。ですがある日、そもそも悩みってなんだろうなと思い始めました。自分なりに”悩み”というものを定義すると、答えがない問題について考えている状態が”悩み”なんじゃないかと思います。

悩みには”いい悩み”と”悪い悩み”があると思っています。いい悩みとは家族や恋人、友人、あるいは自分の人生に関することです。こういう類の問題は自分が納得できるまで悩み尽くすべきだと思います。ただし自分ではコントロールできないことについて悩んでいる場合、それは悪い悩みだと思います。 私はアメリカの大学を受験する時、悩んでいました。なぜなら自分には向かないんじゃないかと思っていた時期があったからです。それまでの私は明確な目標を決めてそこに向けて愚直に努力するという生き方をしてきました。それはほとんど自分の信念や美徳であったと思います。

しかしアメリカの大学受験では、目指すべき具体的なゴールがありません。自らの人生で感じたこと、経験してきたものを「個性」という形でエッセイに落とし込み、そこから自分の将来性を大学に提示しなければなりません。大学のエッセイを書いている間は、今まで私が積み上げてきた自分の哲学が崩れていくような感覚に陥り、どうしていいのかわからなくなってしまいました。

最終的にはご縁があってグルー・バンクロフト基金に拾っていただいたのですが、合格後もアメリカの大学、ましてやリベカレのような偶然による変化を楽しむような風潮に適応できるのか不安を抱いていました。

アメリカで一年を過ごした今、振り返るとそれは悪い悩みだったと思います。考えてみれば、人生の中では不確定なことの方が圧倒的に多く、明確な答えなんかないことの方が多いはずです。高校までの世界の、常に答えがあるような状態の方が珍しいでしょう。 そんなどうなるかわかるはずのない未来について憂う暇があれば、目の前の自分自身のできること、やれるべきことにもっと注力をすべきだったと思います。そのように気が付いてからは今まで以上に今生きているこの瞬間、瞬間にエネルギーを注ぐことができるようになりました。

自分でコントロールできないことについて考えても仕方がない、今できること、楽しいと思えることに集中しようというマインドにだんだんと変わっていきました。今の私は高校生の自分では想像もしていなかったような日々を過ごしていますが、そんな自分の変化を純粋に楽しいと思うことができています。

当然将来に対する悩みはあります。でもそれはとてもポジティブで、いい悩みです。いい悩みに対してはいくらでも時間を費やすべきですし、そうすることで自分にさらなる変化をもたらしてくれる予感がしています。

グルー・バンクロフトを目指すあなたへ

そうはいっても、考えなくなって良いことを永遠と悩んだり、不安に思ってしまうことってありますよね。大丈夫、グルー・バンクロフトにはそんな悩みを真摯に受け止めて、一緒に向き合ってくれる心強い”ファミリー”がいます。グルーのことやLake Forest のことで何か相談したいことがあればぜひいつでも連絡をください。将来の基金生の皆さんとグルー・バンクロフトで、あわよくばLake Forest でお悩み相談会を開催できることを願っています。

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