奨学生の声

助け合う精神

<strong>森山 彩佳</strong><br /> 留学先大学:Carleton College(ミネソタ州)<br /> 2022年卒業<br /> 専攻:Physics and Dance double major<br /> 出身高校:女子学院 森山 彩佳
留学先大学:Carleton College(ミネソタ州)
2022年卒業
専攻:Physics and Dance double major
出身高校:女子学院

カールトンで過ごした4年間は、私に助け合う精神を教え込んでくれました。リベラルアーツカレッジは、都市から離れていることもあり実社会から切り離された世界とも言えます。しかしながら、この小さいコミュニティにおいてどうお互い支えあうか、自分はどう貢献できるのかを考える機会を得て実践できたことは、今後大きな世界で周りに貢献するための練習になったと考えています。物理のクラスでは、夜遅くまでお互いああでもないこうでもないと苦労の時をともにしながら宿題をこなしました。一方クラス外では、学部の多様性がまだまだ不足しているからと、もっと温かい物理のコミュニティを作るために教授、スタッフ、学生が協同してアンケート調査やイベントの実施をするなどしました。小さいリベラルアーツカレッジだからこそ、親密な人間関係を築くことができ、その密な関係の中で自分の影響の大きさを感じることができた大学生活でした。
リベラルアーツカレッジの規模の小ささを生かして自分の主体性を強化することができた4年間でもありました。カールトンのダンス学部に関しては、学部自体決して大きくなく、不満に思うこともありました。たとえば、専攻に必須の授業のうち3つは同じ教授のクラスであること。小さい学部において1人の教授がいろいろ教えることができるというのは何かと便利なのだろうと想像できますが、カールトンの多様な教授陣から学ぶ機会を活かしきれてない、多様な価値観が重要な時代において同じ教授のクラス3つというのは見方が偏っている、と思ったとき、カールトンのダンスプログラムはベストではないと感じました。一方で、小さい学部だと教授と親密な関係を築きやすく、何かやりたいといったときに話が通りやすいという経験をしました。例えば、コロナの影響もあり大学のダンスグループとしていくのを中止した春休みのダンスカンファレスに、一人で行かせてほしいと頼み、また自分の作品をカンファレスの公演勉強会に出させてほしいと直前になって頼んだことがありました。それまで築いてきた人間関係のおかげかわからないですが、コロナ禍のリスクを承知のもと、カンファレスの投資の価値を信じてもらい、行かせてもらうことができました。また、ほかに専攻する人が少ないと、自然と自分がリーダーシップをとる状況になり、いろいろな経験を積むことができました。

生活面で学んだ大事なことは、セルフケアの大切さです。アカデミックが重視されている文化に日本人の勤勉な性格に輪をかけて、たまに私は勉強しすぎていたと今振り返って思います。私の場合は、それが睡眠や食事を後回しにすることになり入院するに至ったことがあります。それ以降、友人と心身の健康について話すこともあり、セルフケアの大事さを認識しました。メンタルヘルスはいまだタブー感の強いトピックですが日本よりかは話すことへ積極的な学生が多いと感じます。これから大学に進学される皆さんにも、自分のことを大事にしながらどう生きていくのか、考えながら充実した大学生活を送ってほしいと思います。

在学中にぜひやるべきこと

ぜひinterdisciplinary な(アートの)プロジェクトをやってみてください。社会に出てからでは、アートの場合、グラント(助成金)を取ってからでないとやれなかったりなかなか人が時間を割いてくれなかったりしますが、学生のうちはみんなオープンで協力的です。コロナもあって難しかったですが、最終的にシニアの最終プロジェクトで、作曲家、ピアノ奏者、スタジオアーティストの学生とコラボをしてダンス作品を作ることができたのはとても嬉しかったです。完成度を気にせず実験的にやることができたのは大学ならではの環境があったからです。

募集要項