基金の目指すもの

グルー・バンクロフト基金は、日米相互理解の推進に尽力した戦前の二人の駐日米国大使の名を冠し、日本の高校卒業生の米国留学を支援することを通して、日本と米国の良好な関係を維持推進するとともに国際社会で有益かつ指導的な役割を果たす人材を育成することを目的とする公益財団法人です。創設から90年、これまでに約200名の基金奨学生が40を超える米国の4年制大学を卒業し、民間企業、政府機関、国際機構、大学・研究所、メディア、市民社会団体等の多様な場で活躍してきました。今でも基金は毎年10名前後の奨学生を米国に送り出しています。その一人一人が充実した大学生活を送り、将来の夢を育み、生涯の友を得、卒業して世界に飛び立っていくこと、基金はそれをしっかり見守っていきます。

女性リーダーを支援する「捨松スカラシップ」を開設します(新)

捨松スカラシップとは

派遣先大学の特徴

グルー・バンクロフト基金では奨学生を米国の著名な小規模・全寮制のリベラルアーツ大学に送ります。これらの大学は通常大学院を持たず、学生数が1学年500人前後と小規模で、学生は教えることに熱心な教授陣から少人数のクラスで探求型の密度の濃い授業を受けることができます。教育内容については、文系・理系の枠を超えた幅広い知識の習得や現実社会に関する問題意識の醸成を迫る一方で、個々の学生が自らの興味・関心に基づいて学びを極められるようダブル・メジャー、内外他大学での期限学習、企業インターン等多様な選択可能性も組み込まれています。また学生はほとんどがキャンパス内の寮で生活を共にしながら、それぞれの自己実現に向けて切磋琢磨します。個の教育を重視する米国のリベラルアーツ大学では留学生も含めて全ての学生に教員アドバイザーが付くほか、生活面でのガイダンス制度も充実しています。グルー・バンクロフト基金の奨学生は、同じ大学に在学中の先輩学生や卒業生に相談することもできます。また基金奨学生同士のSNSグループがあるほか、基金理事が定期的に派遣先大学のキャンパスを訪問し、食事会や個別面談を行っています。

提携大学及び最近の進学先

代表理事メッセージ

長尾眞文 長尾眞文

基金は長年の奨学生派遣支援の事業により、内外多方面で活躍する人材を輩出してきました。彼らがそれぞれのキャリアの追求を通して蓄積した知識、経験、業績と社会的貢献は、基金として誇りとするところです。そして彼らが卒業後も基金との関係を保つ時、それは基金にとって隠れた人的資産となります。基金ではこの人的資産を活かして次世代の育成に貢献する新たな取組みを始めています。そのひとつは、基金の奨学生OB/OGが国内の高校にオンラインや対面で自らの留学体験や卒業後のキャリアについて出前講義することです。

また基金はこれまで多くの米国のリベラルアーツ大学と基金奨学生の派遣を通して緊密な協力関係を築いてきました。そして近年存在感を増している日本のリベラルアーツ大学ともつながりを深めています。基金が仲介役となって日米双方のリベラルアーツ大学間の連携を図ることで、日米の次世代育成のための共同企画が実現します。実際に日米の多岐にわたる分野で創造的、包摂的なリーダーシップを発揮している女性に日米リベラルアーツ女子大学の学生が探索的にインタビューすることにより、自らのキャリア形成に役立てるとともに全員で協力して女性の職業・専門の選択に関する実践資料集を作成する新企画が進行中です。この取り組みは基金が女性のエンパワーメントとリーダーシップを現代社会の優先的課題として捉え次世代女性リーダーの育成を支援する新たな方向に踏み出す一歩で、大山捨松スカラーシップの新設と軌を一にするものです。

基金の新機軸に皆さまのご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

募集要項