どうしたら魅力的な人間であれるか
アメリカのリベラルアーツ大学受験を考えている高校生の皆さんはじめまして。小笠原伊武希です。アイオワ州にあるグリネル大学を2017年に卒業しました。専攻は数学で課外活動は主にアメフトと陸上競技をしていました。群馬県の公立学校で小中高を過ごしそのまま日本の大学を受験する予定でしたが、高校2年生の夏にアメリカの大学を現役で目指している先輩に出会い、そこからグルー・バンクロフト基金とのご縁もいただけたことで、グリネル大学へ進学することができました。私は結果的に学術の世界で優れた何かを発揮できる才能と情熱の持ち主ではなかったようですが、「世界に通用するリーダーになる」という漠然としつつも確かなビジョンは持ち続けました。その結果、腹の底から楽しかったといえるアメリカでの4年間を過ごして人としても大きく成長をすることができました。卒業後はアマゾンジャパン合同会社に就職し、オペレーション現場のチームマネジメントを経験したのちに、オペレーション部門のProgram Managerとして海外の開発チームと日本の現場の橋渡しを行いました。2022年7月からは中東・北アフリカ地域のアマゾンへ異動し仕事をしています。
皆さんに一番伝えたいこと
皆さん一人ひとりがそれぞれ全く違う分野でこれからの将来活躍していくことと思います。その中で皆さん自身が成長し続け自分も周りも幸せにできるようになるためには人間力をたくさん磨いていく必要があります。これは私の個人的な意見でもありますが、これから大学受験をされて進学していく皆さんにも、どうやったら自分が一番自分らしく、そして最高に魅力的な人間であれるかを常に考えていてほしいなと思います。私自身がそのために意識している大切な要素は、笑顔、ポジティビティ、素直さ、誠実さ、好奇心、そして感謝です。これと同じである必要はありませんので、自分の魅力を一番引き立たせるための在り方を皆さんも是非じっくりと考えてみてください。そして受験のプロセスを含めてそれらをアメリカのリベラルアーツ大学というの環境の中で存分に試行錯誤してみてください。アメリカでの4年間が終わるころにはきっとその次に繋がる大切なライフレッスンが見つかっているはずです。皆さんのご活躍を心から応援しています。
グルー・バンクロフト基金の魅力
一人ひとりにとってちょうどよい距離感でかけがえのない仲間ができることが本基金最大の魅力です。ほかの財団のことをあまり知らない私でも自信を持って語れるのは、渡米前、在学中、卒業後どのフェーズにおいても基金のメンバーと繋がる機会があり、人生単位のコネクションができるコミュニティであることです。繋がる度合いについても来る者は拒まず去る者は追わずのスタンスでとてもオープンであることも居心地の良さに繋がっていると思います。個人的なところでは、同学年のメンバー全員と今でもゆるっとグループチャットで繋がっていて、年に数回ビデオ通話をして近況報告をしたり、世界のどこかでタイミングの合うメンバーで会ったりしています。少なくとも私の場合にはこういった幼馴染みに感じるような関係性が社会人になっても続いていることは超激レアです。いつもお互いの話に親身に耳を傾け合える今の仲間には心から感謝をしています。
グリネル大学の魅力
手厚いホストファミリー制度と底抜けに田舎なロケーションがグリネル大学の最大の魅力です。卒業して5年以上経ってしまっていますがこの2つは変わっていないことを心から祈るばかりです。私の場合、ホストファミリーがいなかったら大学生活の50%の価値がなくなってしまうと思うくらい、本当にかけがえのない素敵な時間をホストファミリーと過ごすことができました。留学生によってホストファミリーと築く関係性は異なりますが、まさに人間力に磨きをかける絶好のチャンスでもあるため第二の家族と呼べるくらい人生の中で大切な存在にしてほしいです。そしてこの文章を読んでいるほとんどの人がこれまでやこれからの人生のほとんどをグリネルよりも田舎ではない場所で過ごすことと思います。都会では味わえないこの土地の酸いも甘いも全部を4年間かけて六感に染み渡らせてきてください。そうすればこの先の人生で何があっても、アイオワの大地のように常にどっしりと構えていられるようになると思います。Good luck!