Wellesley College
世界中のハーマイオニーが集う全米トップの女子大
About
ウェルズリー大学はボストン郊外にある 1875 年創立の名門女子大学です。大学のモットーは “Non Ministrari Sed Ministrare”「仕えられるよりも仕えなさい」、つまり社会のために奉仕するリ ーダー、そして世界を率いる存在になるということです。マデレーン・オルブライト元国務長官、ヒラ リー・クリントン元民主党大統領候補、ノラ・エフロン(ジャーナリスト、映画製作者)など、政治・ビジ ネス・芸術など多方面に多くのリーダーを輩出しています。ボストンから車で30分程に広大な敷地 に風情豊かな研究棟や寮が点在しています。ウェルズリーならでは(ステップシンギング、フラワー サンデー、フープロール、ボストンマラソン応援など)の伝統的行事もあり、学生間の結束が強い です。世界で最も強固な女性のネットワークと呼ばれる同窓会組織を通じて在校時はもちろん、卒 業後もお互いを助けあう精神に溢れています。
目次:
1. About Curriculum (どんな学び︖)
卒業や専攻に必要な単位以外は⾃由に科⽬選択ができます。ウェルズリーは⼩規模なリベラルアーツカレッジであるた め、他の分野や授業とのコラボレーションが多いです。例えば、私が先学期受けていた「テクノロジーにおける倫理学」 の授業は技術開発、倫理学、社会学などのあらゆるテーマを扱っていました。また、「AI」の授業の学⽣とボイスアシス タントのエシックスについて考えるプロジェクトの企画をする機会もありました。このように、直接的に他分野とのイン タラクションがある他、授業外でウェルズリーのリベラルアーツ教育の特徴を気づくことができます。Historically womenʼs college であるウェルズリーはジェンダーに関⼼を持つ学⽣と教授が多いため、ジェンダー学や社会学以外の 授業⽣物学、哲学、データサイエンスなど)でもジェンダーに関するトピックをディスカションやカリキュラムに含むことが多いです。学業に励むためにウェルズリーにくる学⽣が多い ので、必要な時には助けを求め、お互いを⽀えながら⼀⼈⼀⼈⾃分のポ テンシャルに気づくことができます。
おすすめの授業
Philosophy of Art (PHIL 203)
アートとは何か、美しさを客観視することはでき るのか、倫理と美意識の関係性とは、などの問い をディスカッションとエッセイを通して考え、ア ートを哲学的な観点から理解を深めることができ ました。私はホラー映画が好きなので、ホラーの 哲学について話し合った授業が特に印象に残って います。美術史、歴史、哲学を専攻している学⽣ が多く、とても学際的なディスカッションを⾏う ことができました。
2. About Students (学⽣の雰囲気は︖)
優等⽣気質の学⽣が集まるため、皆勉強熱⼼で上昇志向が強いです。 卒業後の進路が明確に決まっていなくても、「こうなりたい」という⾃ 分の理想像を持っている⼈が多く、それを達成するために努⼒を怠りま せん。しかし、他の学⽣を蹴り落とすような競争⼼はなく、⾃⾝を⾼めるたびに努⼒しているイメージがあります。
そのため、お互いの⽬標や夢を応援し合い、励まし合えるコミュニティーだと思います。何か嫌なことや納得できないこ とがあると、すぐ⾏動に移します(署名活動を⾏ったり、納得が⾏くまで何度も話し合う)。リベラルな学⽣が多く、 LGBTQ のコミュニティも広いです。(全校⽣徒の半数が LGBTQ だという調査結果も)。⽇本⼈は学年に2、3⼈ぐら いで、⽇本⼈のコミュニティーはとても狭いが、みんなとても仲良く和気藹々としています。
3. Being in the U.S. (留学⽣への⽀援は︖)
グローバルな場であるボストンに近いため、それに惹かれてウェルズリーに留学してくる学⽣も多いと思います。⼊学 当初は留学⽣のオリエンテーションがあり、国内⽣がキャンパスに来る前に他の留学⽣と交流することができます。この オリエンテーションではアメリカの⽂化(お⾦の払⽅、喋り⽅、マナーなど)について教えてもらえます。留学⽣がアットホームに感じられるように留学⽣専⽤のハウス(集まりどころ)が設置されていて、留学⽣⽤のスタッフもいます。結 構頻繁に連絡することが多いのですが、毎回対応がとても早く、スタッフも信頼できます。特に今回のコロナウィルスに よって⾊々と悩んでいたときも、素早く個⼈的なアドバイスを得ることができ、⾮常にありがたかったです。
4. About Extracurricular (課外活動は︖)
⼤学のジャパンクラブと和太⿎部に⼀年⽣の頃から所属しています。ジャパンクラブは週に⼀度ミーティングがあり、年に⼀度に「雪まつり」という⽇本の⽂化を披露する⼤イベントを主催します。⼆年⽣の時には雪まつりの企画責任者でした。どの課外活動団体でもポジションによって忙しさが変わりますが、基本的に週に⼀度にミーティングを開き、年中はあらゆるイベントを企画・実⾏します。和太⿎部は週に⼆ 度、⼆時間の練習を⾏い、校内並びに校外他⼤学やボストン でのお祭りなど)で曲を披露しています。
⼀年⽣の時はボストンのチャイナタウンで⼩学⽣の勉強を 教える(ハーバード⽣とウェルズリー⽣主宰)ボランティ ア団体に所属していました。ウェルズリーは、学⽣街とも 呼ばれるボストンとケンブリッジに近いので他⼤と交流す る機会が⾮常に多く、他⼤の課外活動にも参加する学⽣が 多いです。
5. About Student Life (どんな⽣活環境︖)
⼤学⾃体は⾼級住宅街の近くに位置しており、とても治 安がいい(ウェルズリーの街は全⽶のランキングに載るほ ど治安が良いことで有名)のでキャンパスはとても安全です。キャンパスには⾷堂が五つあり、ミールプランもアン リミテッド(⼀⽇何⾷でも⾷べられる)ので、⾷堂で勉強 したりする⽣徒も多いです。また、東海岸ならではの四季 の変化を楽しむことができる上、キャンパスには湖があり、何気ない⽇常の中でもふと「すごく綺麗なキャンパス にいるな」と実感することが多いです。
リベラルアーツ⼤学の多くは都会から少し外れたところにあるため⽇常⽣活空間はキャンパスに限られがちですが、ウ ェルズリーは授業提携をしている MIT まで毎時シャトルバスがあり、ソーシャルライフがキャンパス周辺に限定されな いのが特徴だと思います。授業や課外活動で他⼤に⽤事ある場合は週に数回、ない場合でも週末ご飯⾷べに⾏ったり、美 術館や映画館、ショッピングのために出かけやすいです。
ウェルズリーの冬
ウェルズリー恒例の⾏事といえば、初雪のそり滑り︕キャンパ スの中⼼にある丘の上に集合し、昔は⾷堂で使われてた配膳トレーに乗って雪の上を滑っていたらしいが、現在は⾷堂で配膳トレーが使われてないため、各々がそりだったりダンボールだ ったりストレージ容器の蓋だったり持ってきて滑っています。 オフィスアワー前に教授の⼦供のそりを借りてそりすべりした のがいい思い出です。
6. Good things about Wellesley (プチ⾃慢)
個⼈的には、⽥舎と都会、総合⼤学とリベラルカレッジのいいとこ取りでお得だな、と思います︕⼥⼦⼤で⼩規模な⼤ 学だけどそれに限られない学びと⽣活(他⼤の⽣徒との交流、交換授業など)が強みではないかと思います。学びの⾯で は、⼩さな学校ならではの⼩規模の授業(私の専攻の場合最も難しい授業は5⼈とか6⼈しかいない)から、MIT や Babson,Olin でリベラルアーツ⼤学ではなかなか受けられない専⾨性の⾼い授業まで両⽅受けられるのが良いです。ま た、個⼈的に私が東京都下育ちというのもあり、「都会すぎるのは嫌だけどすぐ都会にいける距離が良いな」と学校選び の段階で感じていて、ウェルズリーはボストンまでバスですぐ⾏けるけどちゃんとキャンパスがあってぴったりだなって 思います。(花⽥)
ウェルズリーは1年⽣から4年⽣までの全員が学内の寮で⽣活します。寮は15以上あり、それぞれ特⾊があります。 ⾊々な学年の⼈が住むことができるので、先輩や後輩と仲良くなれることもできて、寮⽣活を通して⾃分のコミュニティ ーを⾒つけることができます。私も⼀年⽣の時に住んでいた寮で親友の3⼈に出会うことができました。キャンパス内には⾷堂が5つあり、それぞれテーマ(ベジタリアン、アジア料理、アメリカンスタイルなど)が異なる ので、その⽇の気分やメニューによって⾷べる場所を選んで友達とワイワイ喋りながら⾷事をします。(織井)
7. One day in Wellesley (⾃分の⼀⽇)
(織井編)
8︓00 起床
8︓15 朝⾷
8︓30 部屋に戻り、⼀⽇の⽀度をする(余裕があ れば少し勉強もする)
9︓00 「プラトンの国家」セミナー開始 12︓00 セミナー終了
12︓10 昼⾷
1︓00 MIT メディアラボへ移動(研究室に出 勤)
1︓30 MIT で研究開始
6︓30 ウェルズリーへ戻る
7︓00 ウェルズリー到着、仲良い4⼈組でキャン パスセンターの⾷堂⼣⾷
7︓30 友達の部屋に集まってのんびり 9︓00 図書館で友達と勉強
10︓00 ⾵呂・⻭磨き
10︓20 部屋で勉強・翌⽇に向けて準備 1︓00 就寝
週末は友達と図書館で⼀⽇中勉強します。
(花⽥編)
9︓45 起床(ギリギリ︓朝ごはんを取りに⾏ける時は急 いで⾏くが、基本的にギリギリなので⾷べずに授業に出る)
9︓55 数理学理論のセミナー (キャンパスの逆側にあ る図書館までダッシュ、5⼈しかいないから遅刻はバレる)
11︓20 授業後近くの⾷堂へ(キャンパス⾷堂5個もあ るけど基本的にいつも同じところに⾏く)
12:45 位相幾何学のセミナー(6⼈しか…以下略)
2︓00 図書館のオフィスアワーへ(science center が⼯事中のため、数学科のオフィスは図書館にある。オフィ スアワーで課題やりながらクラスメイトと世間話する)
オフィスアワー後も図書館のこって勉強、今学期は⽇本⼈の 後輩と勉強することが多い
5︓30 今度は別の⾷堂で夜ご飯(ウェルズリーは夜ご飯が⼣⽅5時から7時まで。割とみんな早めに⾷べる)
6︓30 ジャパンクラブのミーティング 7︓30 ミーティング後、後輩と図書館に⾏って勉強
11︓00 友達のダンスのリハーサルが終わったら寮に 遊びに⾏って、おしゃべりしたり課題したりラーメン⾷べる
1︓00 キャンパス内シャトルバスを待つが基本時間通り にこない。しっかり着込んでから⾃分の寮まで歩いて帰る
1︓30 就寝
(参考) Figures of Wellesley 数字で⾒る ウェルズリー⼤学
- 全校⽣徒2350⼈(うち留学⽣12%) 学費 $58,120
- 平均授業⼈数 17⼈〜20⼈(教授対⽣徒1︓8)
- 平均授業⼈数は20⼈ぐらいになっていますが、実際 に25⼈以上いる授業は⼊⾨が多く、⼀番レベルの⾼ い300番代の授業になると10⼈以下の授業が多い です。専攻にもよると思いますが、数学科だと5⼈ぐ らいの授業も当たり前で、授業もほぼオフィスアワー 状態で質問し放題です。
著者: 花⽥美⽉(はなだみつき)
Wellesley College Class of 2021・グルーバ ンクロフト基⾦奨学⽣・国際基督教⼤学⾼校 卒。数学専攻(物理副専攻)
mhanada(at)wellesley.edu ※(at)は@に置き換えて下さい。
著者: 織井理咲(おりいりさ)
Wellesley College Class of 2021・グルーバ ンクロフト基⾦奨学⽣・国際基督教⼤学⾼校 卒。コンピューターサイエンス、哲学専攻
lorii(at)wellesley.edu ※(at)は@に置き換えて下さい。