Pomona College
人も、気候もアツい大学
About
ポモナ大学は、ロサンゼルスから約1時間のクレアモントという町にあるリベラルアーツカレッジ。隣接した4つの大学(Scripps, Pitzer, Harvey Mudd, Claremont McKenna)とコンソーシアムを組んでおり、それらの大学でも授業を受けることができる。学食のオプションも多く、合同のイベントもたくさんあるので、ポモナに限らず交友関係が広がる。その点でリベラルアーツの難点である「コミュニティの小ささ」もポモナではさほど問題にならない。様々なメンターグループ、例えば留学生へのサポートプログラム(ISMP)や、アジア系学生のサポートプログラム(AAMP)など、様々なaffinity groupsがあり、いつもコミュニティの温かさを感じられるのもポモナの特徴だ。膨大な量の課題が出て、毎日大忙しだが、授業外でも親身になって向き合ってくれる教授や、助け合い精神にあふれた友達のおかげで、なんとか学期を乗り越えていくことができる、そんな大学。目次:
1. About Curriculum (どんな学び︖)
ポモナ大学はリベラルアーツカレッジなので、入学時には特定の専攻に属しません。卒業するための条件は、General Education Requirementsを満たすことになります。その一つが、一年生の一学期目にとるCritical Inquiry Seminar (ID-1) という必須のコースです。学際的な読み・書き・ディスカッションを培う授業で、25〜30のコースから一つ選ぶことができます。他にも、人文学、社会人間科学、歴史・倫理・文化学、物理・生物学、数学、芸術、言語の計7つの領域から何かしら授業をとらなければいけません 。第1,2学年時の科目履修実績や成績に応じて、第3学年進級時に51の学問領域から選び、専攻または副専攻します。ダブルメジャーも可能です。3年目に留学する生徒も多く、ポモナの留学プログラムは多様な選択肢があります。
今までで最高だった教授とのエピソード
たくさんありますが、ある日キャンパス内を歩いていたら音楽の教授に遭遇し、同じ目的地だったので一緒に歩きながらいろんな話をしていました。その中で、「最近ソロ以外ではどういう曲弾いているの?」と聞かれ、室内楽アンサンブルをやりたかったけどメンバーを集めることができなくて諦めた話をしました。すると、その数日後、教授数人で弦楽四重奏をやるけど第二バイオリンパートを弾いてくれないかと誘われ、週1で教授の家に行き、リハーサルしました。キャンパス内で行われたある教授のお葬式で演奏する機会になり、貴重な経験になりました。
2. About Students (学生の雰囲気は?)
一言で表現するのは難しいですが、ポモナは好奇心旺盛な人がたくさんいます。また、誰かが何かを表現したり発言する時は、みんな興味をもって耳を傾けてくれます。ポモナは「お互いから学ぶ」精神が強いと思います。具体的なシステムとして、ポモナはメンターシステムがとても充実しています。各授業のメンター、ライティングセンターのメンター、留学生のためのメンターなど、あらゆる場面で学生がメンターとなり、他の学生を助ける文化が存在しています。
学生同士が協力仕合うことによって、お互いから学ぶことが促されます。また、授業中はもちろん、食堂で友達とご飯を食べる時も、道で立ち止まってする雑談までも、新たな発見が多く、些細な対話を通して学びを大切にしている学生が多い印象です。
また、ポモナは、気候はもちろん、人もとてもアツい大学。 自分がしている勉強や活動に対して情熱的に取り組む学生がたくさんいます。さらに、Social justiceに対する姿勢がとてもアクティブな学生が多いです。リベラルな風潮が強く、特にアイデンティティやマイノリティーの差別にまつわる問題に対しても思慮深く、積極的に取り組む学生が非常に多くいる印象です。
3. Being in the U.S. (留学生への支援は?)
留学生へのメンタープログラム(International Students Mentorship Program, 通称ISMP)があり、留学生たちはたくさんの恩恵を受けています。新入生へのサポートは特に手厚く、上級生のISMPメンターが一人2、3人程度新入生を受け持ち、一年通して交友関係を築き、留学生コミュニティ構築を促し、新たな生活・文化に慣れやすくなるようサポートするプログラムです。私は1年目、初のアメリカ居住で戸惑うことも多かったのですが、このプログラムに大変助けられました。
そして2年目はメンターとして参加し、より一層留学生としての自
4. About Extracurricular (課外活動は?)
ポモナカレッジの各学部と関連するアカデミック系クラブもあれば、スポーツ系のクラブなど、参加できるクラブの種類は様々。5Cで合同のクラブも沢山あります。もし自分の入りたいクラブがなかったら立ち上げることも可能です。私の友達はFood Scienceクラブを立ち上げ、入部員を集め、活動に真剣に取り組んでいます。大学の授業だけでもとても忙しく学習時間が必要なので、クラブに参加していない人も多数います。一方クラブ活動に情熱を注いでいる人も多いです。私はオーケストラに参加し、そのほかにも時々アンサンブルやバンドなどに参加しています。
また課外活動として、ミュージカル劇団に入りましたが、ほぼ毎晩、数時間にわたるリハーサルがあり、その後授業の課題に取り組まなければいけないので、睡眠時間は削られてしまいましたが、それでも課外活動から得られる学びは数多く、毎日本当に楽しく、充実していました。
5. About Student Life (どんな生活環境︖)
LAまで1時間なので、気軽に行ける距離です。気軽と言っても常に課題に追われているので、長期休みに友達と遊びに行きます。私は、金曜や土曜にLAに出て、LA Phil (LAにある有名な交響楽団) の演奏を聴きに行くことが多いです。
普段はClaremont Villageというキャンパスから徒歩圏内の街に出る学生が多いです。Claremont Villageには様々なレストラン、カフェ、雑貨屋さんが美しい住宅街の中にあり、友達と勉強しにカフェに行ったり、友達の誕生日プレゼントを買いに出たり、楽器の修理をしてもらったり、美味しいタイ料理を食べに行ったりすることは日常茶飯事です。毎日同じような生活を繰り返していると、急にキャンパスから出たくなることは誰だってあります。そんな時に、一歩外に出ればリフレッシュできる場が沢山あるのはポモナの魅力だと思います。
例えばどんな時ならLAに行けるのか
サンクスギビング、春休みなど、長期休暇がある時や、試験が終わった後など、ちょっと息抜きしたい時にLAによく行きます。日本食が恋しくなる時は、Little Tokyoに行って美味しいラーメンを食べたりします。また、LA Philという有名な交響楽団のコンサートを聴きに行くこともよくあります。時々音楽学部が無料でコンサートに連れて行ってくれることも魅力的です。
6. Good things about Pomona (プチ自慢)
気候。年中暖かく、カラッとしているので、過ごしやすいです。天気がいいと、外でできることも増えます。芝生で日向ぼっこしながら勉強したり、暑い日にプールに行くのも最高です。全体的に外に出ている学生が多いので、自然と学生同士の交流も外で行われることが多いです。
7. One day in Pomona (自分の一日)
7:30 起床
7:50 食堂に行き、オムレツを食べながら勉強
9:35 マクロ経済授業
11:00 友達とキャンパスの外のカフェで勉強
13:15 音楽と人類学の授業
14:30 バイオリンの練習
17:00 友達と夕食
18:30 オーケストラリハーサル
20:30 部屋に戻り、勉強
21:00 ミュージカルリハーサル
22:15 部屋に戻り、勉強
22:30 夜食食べに食堂に行く
23:00 勉強
24:30 就寝
ちょっと怖くて可愛い(!?)ポモナの慣習
ポモナにはありとあらゆる場所に噴水が置かれています。ポモナの慣習として、誕生日の人を噴水に投げ入れるというものがあります。友達の誕生日が 深夜12時に訪れると、ぞろぞろと友達が集まってきて誕生日の人を担ぎ、ハッピーバースデーの歌を歌いながら噴水まで運びます。きちんとポケットにスマホが入っていないか確認した上、噴水の中に優しく投げ入れる、というやり方で、少しシュールですが、ポモナらしくて可愛い慣習だと思います。
Figures of Pomona 数字で見るポモナ大学(参考)
- 生徒対教授の数の比率1:8(アメリカの大学でも圧倒的に少ない方に入るはず!)
- 教授と研究を行っている生徒の割合53%(リベラルアーツ大学では研究がしづらいイメージがありますが、ポモナで夏休みを利用して研究する生徒がたくさんいます。)
著者: 上原さら(うえはらさら)。Pomona College Class of 2022・グルーバンクロフト奨学金・東京学芸大学附属国際中等教育学校卒業。経済・音楽ダブルメジャー (写真右)
Contact Info: suaa2018(at)mymail.pomona.edu