Mount Holyoke College

アメリカ女子教育のパイオニア的存在

About

セブンシスターズの一校でもあるマウントホリヨーク大学は、マサチューセッツ州にあるリベラルアーツカレッジ。アメリカ最古の歴史を誇る女子大でありながらも、新しいものを積極的に取り入れていく革新的な校風が特徴だ。留学生が学生全体の4分の1を占めておりサポートが手厚いこと、LGBTQ+のアイデンティティがこの大学ではマイノリティではないことから、バックグラウンドの多様な学生が全米、全世界から集まってくる。女子大では珍しく、生物や化学等の理系分野を強みとしており、多くの学生は積極的に研究活動を行っている。また、卒業後を見据えたキャリア教育にも力を入れており、インターンシップなどの経験も積みやすい。勉強にも課外活動にも熱心な学生たちは、忙しい日々を送りつつも、美しいキャンパスを囲む豊かな自然に癒されながら生活している。

目次:

 1. About Curriculum (どんな学び?)

マウントホリヨーク大学の最大の魅力は、リベラルアーツカレッジの特徴でもある小さなコミュニティと、five college consortiumを活用した総合大学にも匹敵する豊富なソースへのアクセスの両方を兼ね備えていることです。

 ①小さな大学ならではの柔軟さ

マウントホリヨーク大学では、1年生や2年生から研究活動を始める生徒が多くいます。自分の興味のある分野に関して研究を行っている教授にコンタクトをとり、研究チームに入れてもらうことも可能です。他にも、アドバイザーとなってくれる教授を自分で探し、オリジナルの専攻を作ることもできます。学生が、大学ですでに提供されているプログラム以外にも何かをやりたいと思った時、それをしっかりとバックアップしてくれる体制が整っています。

 ② Five college consortium

近所にあるAmherst College, Hampshire College, University of Massachusetts Amherst, Smith Collegeとfive college consortiumと呼ばれる提携を組んでいます。これらの大学では授業を自由に履修できたり、図書館の資料へアクセスできたり、学内イベントや留学プログラムへの参加が可能だったりと学生にひとつの大学以上の機会を提供してくれます。また、通常のメジャーやマイナーに加えて、five college certificateという修了証を取得することもできます。うまくいけば、トリプルメジャーのようなことができたりします。

このように、小さなコミュニティに属しつつも、大学の外へ出て学ぶ機会が豊富にあるのは他の大学にはない魅力です。

こんなプログラムも!

NEXUSは、授業内で学んだことと学外でのインターンシップ活動を通して見る実社会とをつなぐプログラム。このインターンシップ、給料の低いものや無給のものに対してはThe Lynk Fundingという奨学金が支給され、インターン期間中の生活費を大学が負担してくれる。

 2. About Students (学生の雰囲気は?)

背景は、Mountain Dayに山の頂上から見えたきれいな紅葉!<br /> 背景は、Mountain Dayに山の頂上から見えたきれいな紅葉!

育ちのいい、穏やかな生徒が多い印象です。勉強に対してはとても熱心で、努力を見せつけることもしなければ、隠すこともしません。生徒同士、競い合うというよりも、協力しながら互いを高め合っているように思います。チームキャプテンを決める投票や、合唱クラブへのオーディションなど、“勝敗”がわかりやすく結果としてでる事柄でも、その結果を受け止めライバル同士サポートし合えるような子がたくさんいます。ポジティブ思考で明るい同級生に囲まれていると、忙しすぎる学期も楽しく過ごせます。

また、マウントホリヨークの学生はマウントホリヨーク大学が大好きです。MoHomeという愛称で親しまれ、多くの生徒にとって“第二のホーム”と呼べる場所になっています。大学内の伝統行事やイベントを全力で楽しみ、その長い歴史を大切にしています。卒業生との交流も深く、卒業後の進路相談やインターンシップを通じてコンタクトを取ることもできます。パンデミックの影響で大学を閉めることになった時は、この非常事態に卒業生が駆けつけ、様々な形で在校生を援助してくれました。空港への交通手段やガレージ(長期休みの間は荷物を寮に置いておくことができないため)の提供、突然の決定に伴う経費の負担や励ましのメッセージの発信など、大学のコミュニティとしての強さを実感しました。

 

マウントホリヨークの伝統紹介①

Mountain Day

10月の中旬に、一度だけ朝の7時に鐘が6回以上鳴る日があります。この日は学長がサプライズで発表するため、教授も生徒も学内の人は誰も当日まで知りません。鐘がなると、その日の授業は全てキャンセルになり、大学のみんなで近所の山にハイキングに行き、頂上でアイスを食べます。Mountain Dayは学生に人気ナンバーワンの伝統です。

3.  Being in the U.S. (留学生への支援は?)

マウントホリヨークの伝統紹介②<br /> 卒業前にくぐってしまうと卒業できないといわれている正門<br /> マウントホリヨークの伝統紹介②
卒業前にくぐってしまうと卒業できないといわれている正門

留学生の占める割合が27%と多いこともあり、サポートはとても充実しています。新入生の入寮期間には、上級生が“Welcome to Mount Holyoke”というポスターとともに空港で出迎えてくれます。大学についてからも、シャトルバスに乗ってみんなで生活用品を揃えに行ったり、銀行口座の開設や携帯の契約などのサポートをしてくれたりと、アメリカで生活していく上で必要な事柄は大学に頼っていればなんとかなります。ビザの更新や税金申告などの手続きも、相談にのってくれるオフィスがあるので心配ありません。

他にも、食堂のバリエーションが豊かであることも特徴のひとつです。ジャンクフードやサラダに加えて、スシや中華、インドカレー、メキシカンタコスなど様々な国の料理にトライしています。サンクスギビングには、キャンパスに残っている留学生のためのサンクスギビングディナーが提供されたり、教授の家に招待してくれたりと、空っぽな休暇中のキャンパスでも留学生への配慮は欠かしていません。おかげで、留学生という括りで疎外感を感じることはありません。マウントホリヨーク大学のキーワードの1つに“Inclusiveness”というものがあります。多様性と公平性、そして包括的なイニシアティブをとても大切にしており、人種問わず、1人の生徒として尊重されていることは日々の生活の中で強く感じます。

4. About Extracurricular (課外活動は?)

チームの集合写真 チームの集合写真

多くの学⽣が、学業と両⽴しながら課外活動も活発に⾏っています。⼤学内に限らず、five college consortium の⼤学のクラブ活動に参加している⼈、地域のボランティア団体で活動する⼈、教授のもとで研究に勤しむ⼈など、 活動の選択肢は無限⼤です。 私は乗⾺チームに⼊っています。 マウントホリヨーク⼤学は乗⾺がと ても有名で、毎年全⽶⼤会へ出場す る選⼿がたくさんいます。競技はレ ベル別で⾏われるため、⼤学から乗 ⾺を始めたというような学⽣も⼤会 へ出場してチームへ貢献できるのが 特徴です。乗⾺が楽しくて、⾺がか わいくて、この活動は私の⽇々の癒 しになっています。

 

5. About Student Life (どんな生活環境︖)

Five collegeをつなぐ無料バス<br /> Five collegeをつなぐ無料バス

キャンパス内は、女子大なのもあってかとても落ち着いています。ここは本当にアメリカなのかと疑いたくなるほど治安がいいです。寮の部屋の鍵は基本かけないですし、貴重品を放置したまま席を外したりする行動もよく見かけます。キャンパス周辺はどちらかというと田舎で、森に囲まれています。すぐ近くにハイキングできる山があったり、冬に雪が降るとスキーをしにいったりとアクティビティも楽しめます。徒歩圏内にあるお店は本当に少ないため、普段はあまりキャンパスの外には出ません。

ですが、無料バスを利用すれば簡単に街に出ることができます。 Smith College の周辺は栄えていて、ブランチを食べにいったり散策 しにいったります。他にも、Amherst College の付近には美味しい日 本食屋さんやクッキー屋さんがあり、週末に足を伸ばすにはもってこ いの場所です。ボストンまではバスで 2 時間半、ニューヨークまでは 4 時間くらいなので、春休みや秋休みに旅行に行く人も多いです。田 舎で勉強に集中しやすい環境があると同時に、少し外へ出れば街もあ るというのは忙しい学期を過ごす学生にはもってこいの立地だと思います。 

 

6. Good things about Mount Holyoke (プチ自慢)

マウントホリヨーク大学には湖が2つあります!かなり大きくて、湖の周りのトレールは朝のランニングや夕方のお散歩にぴったりです。不思議なもので、湖を見ているだけでかなり癒されます。近くにあるベンチに座って、青空の下、湖の横で本を読むのはとても快適です。この湖には、長年住み着いているガチョウがいます。Jorge(ホーヘイ)という名前で、今まで何代ものマウントホリヨーク生が大学から旅立っていくのを見送っているそうです。最近はアヒルを引き連れて歩いていて、湖のボス的存在です。マウントホリヨークの名物なので、キャンパスビジットした際はぜひ探してみてください!

マウントホリヨークの伝統紹介③

Class Color

各学年クラスカラーが決まっていて、Class of 2023は黄色、他には赤、緑、青があります。そして図書館では、2つに分かれた階段のうち、自分のクラスカラーの旗がかかっているサイドの階段を使わなければ卒業できないと言われています。

7. One day in Mount Holyoke (自分の一日)

乗馬の練習/チームとの筋トレを終え、食堂からとってきた朝ごはんを持って最初の授業へ駆け込むところから1日が始まります。学内で1番早い授業は8:30で、多くの生徒は9:00〜10:00には最初の授業をスタートしています。

ほとんどの授業は17:00ごろには終わりますが、音楽系のクラブ活動や授業は夕方以降に練習があるみたいです。ダイニングの夜ご飯は17:00から始まるので、そのくらいの時間に夕食を食べ、夜は勉強したりリラックスしたりします。21:00になると、ダイニングでフライドポテト、フライドチキン、ピザ、クッキーなどの夜食が出ます。ここで出されるピザは毎晩行列ができるほど人気で、自分で好きな具材をオーダーしてオリジナルのピザを作ることができます。ダイニングは24:00、図書館は深夜2:00まで空いています。キャンパス内はとても治安がいいので、夜中に勉強を終えたら、歩いて寮まで帰ります。

マウントホリヨークの伝統紹介④

M&C‘s

Milk & Cookiesは夜型の学生にはとても嬉しい伝統です。平日の夜21時ごろ、各寮の1階にクッキーやカップケーキ、牛乳、ジュースが提供されます。夜遅くまで勉強している多くの学生を大学は夜食の提供という形でもサポートしてくれているのです。毎晩、太るなあと思いながらもなんだかんだ食べたくなってしまいます。

Figures of Mount Holyoke 数字で⾒るマウントホリヨーク大学(参考)

  • 全部で2190人の学生は、45の州と76の国から集まっている。うち、留学生は27%を占める。
  • クラスサイズ:
    • 生徒数が10人以下の授業は全体の11%、20人以下の授業は全体の75%、30人以下の授業は全体の91%である。教授と生徒の比率は1対9。
  • 約80%の生徒が卒業後10年以内に大学院にて学位を取得する。
  • 新入生の52%は、高校ではトップ10%に入るほどの優秀な成績を収めていた
    • マウントホリヨークの学生は勉強にも課外活動にも非常に熱心だからこそ、忙しい学期もお互いを励まし合いながら自分を奮い立たせることができる。

著者: 澤田碧砂 (さわだあずな)。Mount Holyoke College 2023・Neuroscience専攻予定・渋谷教育学園渋谷高等学校卒・日本学生支援機構奨学生

Contact Info: Facebook (Azuna Sawada) またはsawad22a(at)mtholyoke.edu

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