DePauw University
質の高い“アカデミック&ソーシャル”が実現できる場所
About
デポー大学はインディアナ州の田舎町グリーンキャッスルに位置するリベラルアーツカレッジ。卒業生は元アメリカ合衆国副大統領、ノーベル賞・ピューリッツァー賞受賞者、さらには宇宙飛行士やブロードウェイ俳優など、幅広い分野で活躍している。全米で名が知れた奨学金プログラムに毎年多数合格者を送り出していることで有名であり、中でもフルブライト奨学金合格者数は、毎年全米でもトップに入る。 コロンビア大学、ハーバード大学、ジョンズ・ホプキンス大学、イェール大学など数々の名門大学院へ学生を輩出している。特徴としては、グリークライフが盛んであり学生はソーシャル面も疎かにしないこと、教授陣が教育に非常に力を入れていること、留学生へのサポートが手厚いことなどが挙げられる。目次:
1. About Curriculum (どんな学び︖)
公式サイトには、デポーのカリキュラムによって学生は、学んだ知識と経験とを結びつけ、継続的に学ぶ力・考える力を鍛えていくことができる、と書かれています。つまり、デポーで学んだ知識や身に着けたスキルは大学内で完結させるのではなく、これからの人生で出会う様々なことに応用していくことが求められており、デポーではそのアプローチのための深い思考力・洞察力・表現力などを徹底的に身に着けることができるのです。
ちなみにデポーでは、2年次の2学期目までに専攻を決める必要がありますが、同時に2つの異なる専攻で学位を取得できたり、複数の分野にまたがる専攻があったり、ファカルティと相談しながら自分で独自に専攻をつくることができたりと、専攻に関しては非常に柔軟です。
具体的な卒業のための条件としては、31単位以上取得すること、GPAが2.0以上であること、初年次にFirst Year Seminarというライティングインテンシブな授業を履修すること、専攻分野以外のクラスを定められた数以上履修すること、May TermやWinter Termを利用してExtended Studiesと呼ばれる普段の授業とは異なるコースを2つ以上とることなどがあります。また、Writing (W), Quantitative Reasoning (Q) and Speaking/Oral Communication (S) の3つのスキルの習得が重要視されており、専攻に関わらず2年次にはWコース、3年次にはQコース、4年次にはSコースを履修し一定以上の成績をおさめる必要があります。
2. About Students (学生の雰囲気は?)
一言で表すと、とにかく積極的で、強みはコミュニケーション能力だと思っています。自分の意見を伝えることが上手い人が多く、リーダーシップポジションやインターンシップ、留学、研究など、自分がやりたいと思ったことには積極的に挑戦します。ちなみに、キャリア関連の相談ができるHubbard Centerというところに行くと、履歴書の書き方や面接の指導を受けることができたり、自分にあったインターンシップや留学プログラムを探す手助けをしてもらえたりします。他にもキャンパス内でのインターンシップや、ファカルティと共同で研究する機会があり、その中でも自分の参加したいものについてはとにかく教授にやる気をアピールしている学生がたくさんいます。
教授の方も、学生が本気でやりたいと言ったことには本気で応じてくれます。教授のオフィスに通い仲良くなると、一般には公開されていないようなプログラムやクラブを紹介してもらえることもあります。それに加えて、学業面はもちろん、グリークライフ、パーティー、課外活動などソーシャル面も疎かにしない人が多い印象です。
具体的に…大学での授業選択
基本4〜5クラス/学期なので、卒業・専攻の要件を事前に把握し、ある程度計画的に授業をとっていく必要があります。Rate My Professor などのアプリや先輩からの情報で教授の評判を調べるのもあり。また一見矛盾するようですが、せっかくリベラルアーツ大学に通うのならば、興味のある授業をできるだけ幅広くとり、様々な分野に触れるその過程で教養や論理的思考を習得したいものです。今まで見えていなかった自分の可能性にも気付けるかも︖︕3. Being in the U.S. (留学生への支援は?)
ちなみに…友達の出身国大集合
アメリカ、中国、ベトナム、パキスタン、インド、日本、韓国、モンゴル、エチオピア、モロッコ、南アフリカ、ナイジェリア、ミャンマー、ジョージア、モンテネグロ、ガーナ、スペイン、ロシア、メキシコ、ドミニカ共和国など現在デポーの留学生の割合は13%ほど。留学生に対して多くの奨学金を出すだけでなく、留学生への手厚いサポートは非常に魅力的です。一番の特徴は何といっても留学生向けの入学前のプログラムでしょう。
まずSummer English Immersion Instituteという2週間のプログラム(参加任意)が7月の終わり頃からあります。アメリカのリベラルアーツカレッジの授業スタイルに慣れたり、英語力を鍛えたりするだけでなく、キャンパス内の施設や生活に慣れ、毎日のアクティビティを通してアメリカ人よりも一足先に教授やTAの先輩、同級生との関係を築くことができる素晴らしいプログラムです。みんなでインディアナポリス観光もして、ものすごく濃い2週間になること間違いなし!その後、新しい留学生全員が揃い3日間ほどの留学生向けオリエンテーションがあり、そこで銀行口座やクレジットカードなど諸々の手続きを済ませます。その後ようやくアメリカ人もキャンパスに来て新入生全員のオリエンテーションという流れです。
加えて、日々の生活のなかで留学生が気軽に相談しやすいような体制も整えられており、International Student Servicesのオフィスではビザ、保険、税金関係の書類のことなど、個別に相談することができます。新型コロナウイルスの感染拡大により大学が閉鎖することになった際も、留学生の様々な質問に答えるQ&Aセッションをすぐに開催し、一人一人の状況を考慮した丁寧かつ迅速な対応で非常にありがたかったです。留学生の新入生にはInternational Student Ambassadorと呼ばれる上級生がつき、年間を通じて学業面でも生活面でもサポートしてもらえます。
他にも、希望する留学生にはホストファミリーをつけてもらえたり、普段の授業の中で英語に困ったとき(教授の言っていることが理解できない、リーディングが大変すぎて終わらない、授業で上手くプレゼンできる自信がないので練習したいなど)にサポートしてくれる施設があったりと、とにかく手厚いので安心して下さい。
“Accent is a sign of bravery.(訛りは勇敢さの象徴である)” 私が渡米して間もない頃に聞いて自信と勇気をもらったフレーズです。留学生はみんな勉強するために勇気を出して、家から遠く離れ、言語も文化も全く異なる慣れない場所で懸命に生きて自分を磨いています。そんなあなたの発言にはものすごく価値があることを忘れないで下さい。そして留学生だからという理由で、声をかけたり自分の意見を言ったりすることをためらってしまいそうなときには、ぜひこのフレーズを思い出してみて下さい。
英語力の不安と対処法
私は授業でのディスカッションが苦手でしたが一度も発言なしにならないよう、前日の予習時に前もって自分の言うことを決めておく→ディスカッション開始後一番に発言するということから始め、次第に臨機応変に議論に参加できるようになりました。日常生活について言うと、英語力のかわりに何か自分を表現できるものがあると強いと思います。私の場合それがダンスでしたが、話をするきっかけになるし、同じ趣味を持つ人と意気投合して仲良くなれます。4. About Extracurricular (課外活動は?)
他の多くのリベラルアーツカレッジと同じように、デポーも学生数2000人弱と小規模なので、課外活動の団体数には限りがあります。しかし同時に、様々なチームや団体の中で一人あたりのチャンスが大きかったりリーダーシップポジションにつきやすかったりといった利点もたくさんあります。
ボランティア団体、ダンスチーム、オーケストラ、アカペラグループ、物理クラブ、写真クラブ、演劇クラブ、ロボットクラブ、宗教クラブ、留学生団体、ロッククライミングクラブ、フリスビークラブなど、本当に様々な団体があり、学期の初めに自分の好きな団体に所属登録する日が設けられています。大学スポーツにも力を入れており、リベラルアーツカレッジなのでdivisionⅢではありますが、複数のスポーツにおいて割と強いという話を聞きます。また、勉強を優先したいからスポーツチームに入るのはちょっと、、でもやっぱり何かスポーツはしたい!という方におすすめなのが、Intramural Sportsです。これは日本の大学でいうとサークルのようなもので、バスケやバレーなどのスポーツを毎週楽しみながらプレーすることができます。新たなコミュニティで友達を作る絶好の機会でもあります。
5. About Student Life (どんな生活環境︖)
デポーはグリーンキャッスルという小さな田舎町にあり、⼀⾔で⾔うと、非常に勉強に集中できる環境です。周辺の治安は良好で、夜間は大学専属の警察がキャンパスとその周辺の⾒回りをしているので安⼼でしょう。大学のすぐ近くにスタバ、本屋さん、いくつかのレストラン、アイスクリームショップ、映画館、ボウリング場、郵便局などがあります。(ちなみに映画館とボウリングはデポーの学生であればなんと無料︕)また、デポーの学生行きつけのファストフード店では深夜 1 時まで配達サービスを⾏っているため、週末の夜パーティー後にピザを電話で注文し、寮にデリバリーしてもらって寮で友達とパーティーの続きをする、なんてこともできちゃいます。
ウォルマートやクロガーといった⽇⽤品の買い足しができるスーパーも近くにありますが、徒歩で行くには少し遠いので、大学が⽤意しているシャトルバスを利用するのがよいでしょう。さらに、近くに大学が所有する520 エーカーもある広大な自然公園があり、気軽に美しい自然の中に⾏って日々のストレスを癒すことができます。インディアナ州の州都インディアナポリスまでは車で40 分ほど、大都市シカゴまでは約3時間かかりますが、学生生活において必要なことは基本的にはキャンパス周辺で完結するかと思います。
(日本食レストランやインターナショナルマーケットは周辺にはないので、インディアナポリスまで行く必要があります。)
勉強のための施設だけじゃない!DePauw の様々な⼀面
6. Good things about DePauw (プチ自慢)
① デポーへの最初の留学生が、卒業後外交官となった珍田捨巳、佐藤愛麿などを含む日本人であり、何かと日本とのつながりが深いのです。
② 全米で最も歴史のある音楽院のひとつが併設されており、全国から才能に満ちた若いアーティストが集まります。授業によっては彼らを教えているのと同じ教授から、質の高い音楽教育を受けることができます。私が最初の学期に所属していたアカペラグループには音楽院で声楽専攻の学生がたくさんいて、彼らと一緒に練習したことはかなりの刺激になりました。
③ グリークライフが非常に盛んで、約70%の学生がグリークハウスに入っています。グリークライフとは男女別の学生社交団体のようなもので、男子寮はフラタニティ、女子寮はソロリティと呼ばれます。イメージ的にはハリー・ポッターに出てくる4つの寮の感じに近いかもしれません。その影響で、カジュアルなパーティーが毎週どこかで開かれていて、気軽に参加することができます。
④ 全米の美しいキャンパストップ50の中に選ばれました。
⑤ 日本人コミュニティが充実しています。日本人が 30人弱いるということもあって、インターナショナルバザールにてみんなでソーラン節を踊ったり (右下の写真)、ラーメンフェスティバルという毎年結構盛り上がるイベントがあったりと、楽しみながら日本の文化を紹介できるような機会がたくさんあります。
7. One day in DePauw (自分の一日)
2:30 就寝
6:30 起床・シャワー
8:00 経済学 授業
9:10 コンピュータサイエンス 授業
10:20 線形代数学 授業
11:40 昼食
12:00 寮に戻って着替え
12:10 バスケ (完全に趣味です。大学内のジムで教授やスタッフ、地元の人たちと一緒に2時間ほど試合をします。)
14:10 経済学、線形代数学の教授のオフィスアワーに行く
14:30 寮にて着替え・物理学の授業の仕上げリーディング
14:50 物理学 授業
16:00 寮に戻って少し休憩 / たまに友達と近くのアイスクリーム屋さんに!
16:15 友達とダンスの振り付けの復習
16:30 ダンスの練習 (X-Cell というダンスチームに入っています)
18:40 そのまま夕食
20:30 寮に戻って少し休憩(メールの返信をしたり、SNSチェックしたりする)
21:00 J-club (日本人と日本に興味のある外国人のクラブ)のミーティング
21:40 図書館にて 勉強開始(各授業の宿題、次の授業に向けてのリーディング、ペーパーの仕上げなど)
22:00 直前 夜眠くならないよう、図書館にあるカフェ(22:00で閉まる)でコーヒーを買う
24:00 図書館からJulian (サイエンス系の授業が行われる建物)へ移動し、深夜の勉強仲間と勉強再開
3:00 寮に戻って就寝
建物で見るDePauwでの生活
Figures of DePauw 数字で⾒るデポー大学(参考)
- 学生と教授の数の比: 8:1
- 留学生の割合: 13%
- 日本学生の数: 30人弱
- 授業あたりの平均学生数: 15〜16(ほとんどの授業は25人以下で、上級クラスになると10人以下の授業が多い)
- 寄付金総額: 約 730 億円(学生⼀人あたり約3800万円)
著者: 目崎七海(めざきななみ)。DePauw University Class of 2023・グルーバンクロフト奨学生・広島大学附属高等学校出身。物理学・コンピューターサイエンスを専攻予定
Contact: ikazem0213(at)gmail.com ※(at)は@に置き換えて下さい。