Barnard College

~Bold & Brilliant Barnard~

About

バーナードカレッジはニューヨーク・マンハッタンのアッパーウェストサイドに位置するリベラルアーツカレッジで、セブンシスターズの一校としても知られています。コロンビア大学にある4つのカレッジのうちの1つで、唯一の女子大学です。リベラルアーツカレッジとしては珍しく都会に位置しており、キャンパスだけでなく街全体が学びの場となるような豊かな教育を受けることができることが特徴です。卒業生にはビジネスウーマンの Martha Stewart や作家の Zora Neale Hurston、Jhumpa Lahiri、映画監督の Greta Gerwig などがおり、各界の第一線で活躍する女性を数多く輩出しています。学生はバーナードの授業を受けることはもちろん、コロンビア大学の他の3つの大学の授業も受講できることから、女子大と共学大学、そして小規模なリベラルアーツカレッジと大規模な総合大学の良いとこ取りが可能です。

目次:

1. About Curriculum (どんな学び︖)

「Foundations」と呼ばれる独自のカリキュラムが最大の特徴です。言語・人文・社会科学・科学の分野の授業を各自2つずつ取るよう定められているほか、ユニークなのはテクノロジーに関連する授業や地元・ニューヨークに関しての授業なども課程に含まれています。このカリキュラムによって様々な分野の授業を受講し、幅広い知識を身につけられるようになっているというわけです。また、Foundations により 1 年次に受講が必須と定められている First-year Writingと First-year Seminar ではライティングの基礎力をつけると共に、少人数の授業で議論を行うことに慣れることができます。幅広い分野の履修を目的としている Foundations のおかげでそれまで触れたことの無かった学問に挑戦することができ、より包括的で充実した学びに繋がったと個人的に感じています。専攻に関しては、50 以上のメジャーからの選択が可能で、ダブルメジャーやメジャー + 複数のマイナー(副専攻)をしている生徒も数多くいます。

また、先述したようにバーナードカレッジ以外のコロンビア大学の3つのカレッジの授業も基本的に全て受講が可能なので(各カレッジの必修講義は他カレッジの生徒は取れないなどの例外もありますが)、多種多様なクラスから自分の興味にあった講義を選択することができます。

2. About Students (学生の雰囲気は?)

全校生徒数が 2600 人を超えていてリベラルアーツカレッジとしては比較的大規模なこともあり、学生の雰囲気も人によって本当に様々です。留学生(アメリカ国籍ではない生徒)が全体の 11%を占めていて、なおかつアメリカ国内出身の生徒も様々なバックグラウンドを持った人たちが集まってきています。そのためかカレッジ全体としてはリベラル志向の人が多い印象です。社会問題や政治問題に対しての関心が高く、学内でプロテストが行われることもあります。

課題が多い時でも勉強する時は集中して勉強し、遊ぶ時は遊ぶという風に切り替えてオンとオフを上手く使い分けられる生徒が多いです。また、女子大学だからといって生徒がシスジェンダーの女性ばかりかといえばそうではなく、男性として identify している人やノンバイナリーの人、トランスジェンダーの生徒もいます。そういった生徒のアイデンティティーを考慮して最近では女子大学ではなく Historically Womenʼs College というよりインクルーシブな表現を使うことも増えています。

おすすめの授業

Dance in New York City (Dance BC2570)

ニューヨークにおけるダンスの歴史や、市内のダンスシーンについて学べる授業で、毎週ニューヨーク市内の様々な場所で行われているダンスパフォーマンスを無料で(!)観覧するという貴重な経験ができる講座です。パフォーマンスの鑑賞や、授業内でのディスカッションなどを通してダンスの意味・意義について考えるのはとても刺激的で、何よりニューヨークシティバレエなど世界最高峰のダンスグループの公演を毎週観に行けるのは最高に贅沢な体験でした。

3. Being in the U.S. (留学生への支援は?)

入学時に iPOP (International Pre-Orientation Program)という F-1 または J-1 ビザの 1 年生向けのオリエンテーションがあり、留学生はアメリカ出身の新入生よりも1週間早く入寮できます。海外から来ていると入寮に向けての準備などで他の生徒よりも大変な部分があるので早めに入れるのはありがたかったです。オリエンテーションの内容としては、ビザの手続き・OPTの説明などの実用的なものから、アメリカ文化・アメリカの大学文化についてのレクチャーなど多岐に渡りました。

私は正確にいうと International Student ではないので、ビザなどの手続きなどに関して個人的な経験はないのですが、留学生の友人によると主なビザ関係の書類の手続きや OPT はバーナードのオフィスが担当してくれるそうです。学内に留学生専門の部署が複数存在しているのですが、なかでもコロンビアの ISSO(International Students and Scholars Office)が比較的多くのリソースを有しているとのことです。

コロンビアとバーナードの関係(どんなことがコロンビアでできるの?)

バーナードはコロンビアにある4つのカレッジのうちの1つですが、同時に法的・経済的に独立した教育機関でもあり、入試の際の選抜もカリキュラムも他のカレッジと異なる独自の制度を取っています。このシステムの下、他のカレッジの授業を受けることが可能な他、スポーツなどのクラブ活動やイベントも多くの場合合同で行われ、各カレッジの図書館や食堂などといった施設も全て共用になっています。完全に別々なものといえば学生寮と各カレッジの必修講座(他カレッジの生徒は受講できないことが多い)くらいです。キャンパスも道路を挟んで向かい側にあるのでいつも多くの生徒が行き交っています。

4. About Extracurricular (課外活動は?)

課外活動は多くの場合 4 つのカレッジ合同で行われ、また時には大学院生や博士課程の学生も参加することがあるので参加人数が多く、課外活動のジャンルを問わずたくさんのグループが活動しているので自分に合ったクラブを見つけやすいと思います。

クラブの種類としてはスポーツ系からダンスやオーケストラ、アカペラなどの文化系、生徒会、アイデンティティに関連するもの(人種やセクシュアリティなど)まで本当に多種多様です。また、ファイナンス系のクラブやハッカソン(プログラミングのイベント)を開催するクラブなど、専攻に関連した課外活動も多くあるのが特徴です。

また、バーナードカレッジは女子大学としては唯一の NCAA DivisionI 校です。バーナードカレッジはコロンビア大学と提携しているため、Varsity Sports(スポーツ推薦などで入学し学校代表として大会に出場するチーム)においてはコロンビア大学の代表として参加します。コロンビア大学は前述のように NCAA Division I なので、アイビー・リーグで高いレベルのプレーをする選手と対戦することが可能です。これはリベラルアーツカレッジとしては少し珍しい特徴なので、本格的にスポーツをしている人にとってはとても魅力的なポイントだと思います。

バーナードの充実の施設群

5. About Student Life (どんな生活環境︖)

キャンパスはマンハッタン・アッパーウェストサイドの Morningside Heights というエリアに位置しています。大学関連の建物やアパート、公園、学生向けのカフェやレストランなどが多く並んでいますがマンハッタンの中心部と比べると落ち着いていて比較的閑静なエリアです。ですがもちろん都会なので田舎の学校に比べるとどうしても治安面での懸念は存在しますし、ある程度身の安全に気をつける必要があります。地下鉄の1トレインが最寄りなので 20 分程度でタイムズスクエアに行けるなど市内各地へのアクセスの良さは抜群です。

学校生活が忙しくなかなか Morningside Heights 外に行く機会がない時期もあるかもしれませんが、美術館や博物館、レストラン、ブロードウェイでの観劇などニューヨークならではの見所や楽しみが沢山あるのでキャンパスの立地は大きなメリットだと思います。

学校の寮はキャンパス内だけでなく Morningside Heights の色々なエリアにあります。なかでも私が 2・3 年次に住んでいた寮は一般のアパート内の部屋を大学が借り上げて学生寮にしているというユニークな建物で、バーナードの生徒以外に一般の方も住まわれていたので学生寮という雰囲気はあまりなく、普通にニューヨークでアパート暮らしをしているような感覚を味わうことができたのですごく気に入っていました。

普段の食事は?

キャンパス中に食堂・カフェが点在しているので食事の選択肢が多く便利です。なかでもおすすめは Diana Center Café のスムージー・バー。スタッフさんがオーダーメイドで美味しいスムージーを作ってくれます。

6. Good things about Barnard (プチ自慢)

キャンパス周辺の街並み キャンパス周辺の街並み

女子大学なので教授陣や学⻑など大学の指導的立場にある人も女性が多く、また受講する生徒も女子が過半数を占めている場合がほとんどであることから、性別に囚われずにのびのびと自分の好きなことを追求できる環境が整っていることです。これは学問だけでなく、課外活動においても言えることだと思います。実際に、私の専攻している経済学も全米的に見ると女子生徒が非常に少ない学問で、アメリカの大学で経済学の学士号を取得した学生のうち女性の占める割合は毎年 30%ほどに留まっています。

そういった現状を鑑みると、学問を問わずトップレベルの女性教授が多く集まっていることが当たり前で、生徒の興味も多岐に渡っている環境に身を置けるということは女子生徒としてはとても貴重な経験だと思います。どの学問を専攻しても、すごく良い刺激を与えてくれる人がたくさんいると思います。

あとすごく嬉しいのは学生証を提示するとメトロポリタン美術館や MoMA をはじめとしたニューヨークを代表する 30以上の美術館・博物館への入場が無料になることです。授業でも、美術史の講座では芸術作品を写真や映像で見るだけでなく実際に美術館に足を運んで現物を鑑賞する機会が多かったのが印象的でした。他にも生物学の授業でブルックリンでの植樹のボランティアを経験する機会があるなど、学びの場がキャンパスに留まらないというのも魅力だと思います。

7. One day in Barnard (自分の一日)

バーナード大の正門  よく見ると学校のマスコットのであるクマのシンボルが刻まれています。ちなみにクマのマスコットの正式名称は Millie the Dancing Bear といって、学校のイベントなどに出没します。 バーナード大の正門

よく見ると学校のマスコットのであるクマのシンボルが刻まれています。ちなみにクマのマスコットの正式名称は Millie the Dancing Bear といって、学校のイベントなどに出没します。

8:30 起床・朝食
9:30 課題をする(授業前に図書館で勉強することが多かったです)
11:40 経済学の授業
13:00 インターン(ビジネススクールでインターンをしていました)
15:30 昼食
16:10 中国語の授業
18:00 夕食
18:25 経済史の授業
20:10 計量経済学の Recitation (多くの講義で通常の授業時間外に集まって学習した内容の復習をする Recitation という時間を設けています)
21:00 以降 勉強または自由時間 (課題やリーディングをしたり、ルームメイトとのんびりしたりなど、日によって色々でした)
24:00 就寝

Figures of Barnard 数字で⾒るバーナード大学(参考)

  • 生徒数 (2019 秋時点): 2682
  • 学生と教授の比率: 9:1
  • 留学生(アメリカ国籍ではない生徒)の比率: 11%
  • 学生数が 19 人またはそれ以下の授業: 全体の 75%
  • Faculty における女性の比率: 63% (まだまだアカデミアにも男女格差が残っているのでこれだけ女性の教授が多いというのは貴重なことだと思います)

著者: 松田萌菜(まつだもな)・Barnard College Class of 2021・グルーバンクロフト基金奨学生・京都市立紫野高校卒業・経済学専攻

Contact Info: mem2346(at)barnard.edu

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