留学体験記

川上緑

留学体験記

川上緑

留学先大学:
DePauw University(インデイアナ州) 2017年卒業
専攻:
History and French
大学院:
Princeton University博士課程
出身高校:
湘南白百合
職業:

みなさんは「リベラルアーツカレッジ」に対してどのような印象を持っているでしょうか?
 
「専攻にとらわれず、一般教養を幅広く学ぶ大学」というイメージを持っている方が多いと思いますが、私のデポー大学における学びは、文理をまたいで興味のある分野を学ぶだけではなく、歴史学とフランス文学という学問における専門性を磨くものでした。小学生の時に、西部開拓時代のアメリカを舞台にした『大草原の小さな家』に感銘を受け、歴史家になることが小さいころからの夢でした。歴史学に興味を持っていた私にとって、デポー大学は歴史学者を志す土台を築くために最適な環境でした。
 
日本の高校では教科書に書かれた事項を全て真実として暗記することが求められていましたが、デポー大学の歴史の授業では、多角的なリーディングやディスカッションを通して、「そもそも歴史的事実として受け入れられている事柄は、なぜ事実として受け入れられているのか」を考えることから始めます。例えば私が専門としていたアメリカ史でも、奴隷史、独立運動、南北戦争、国際関係史など、多面的な観点からひとつの事柄を批判的に検証します。こうすることで、自分で主体的に考える力を養うと共に社会で認められている既成概念をじっくり検証する力を養うことができます。
 
付属の大学院がないため、学部生に研究の機会を多く与えるというリベラルアーツカレッジならではの魅力を生かし、私は学部生の間に教授と共著で本を出版することができました。4年間という長い期間を通じて、教授と協力して南北戦争時代に書かれた日記の文字起こしをし、その日記の研究結果とともに、一冊の本として出版できた喜びは、歴史学者として生きていきたいという思いをより強くさせました。
 
また、文理をまたいで幅広い分野から自分の興味を探求できるシステムはリベラルアーツカレッジの大きな強みです。私は副専攻としていた地質学の授業でカナダ、ニュージーランド、コロラド州で岩石の研究をしたり、演劇の授業でシェイクスピア劇の監督を務めたりしました。専攻にとらわれずに自由な学びを設計できることで、一見異なる分野に見える学びを繋げ、新たな価値観や視点を得ることができます。
 
私は大学卒業後、歴史学や地質学への強い興味から、Princeton Universityの歴史学博士課程でアメリカの科学史を専攻しています。将来はリベラルアーツカレッジの教授となり、デポーで自分が受けた密度の濃い自由な学びを若者と共有することが私の夢です。
 
さらに、デポー大学の魅力はアカデミック面だけではなく、人との繋がりにあったことを強く実感します。中でも、留学生に対してオファーしてくれるホストファミリープログラムは、慣れない場所で日本の家族と離れて生活するなかでかけがえのない存在になりました。住居を共にするわけではありませんが、ホストファミリーとアメリカの伝統行事を一緒に経験したり、農場で遊んだり、料理をしたりと、中西部のアットホームな家庭に迎えいれてくれました。卒業した今でも、実家に帰るような感覚でホストファミリーに会いに遥々グリーンキャッスルを訪れるほどの関係になっています。
 
4年間を振り返って、私はデポーにおける時間がアカデミック面でも、人との繋がりにおいても、これからの人生の大切な礎になっていることを実感します。18歳から22歳という感性が豊かな時期に、慣れない未知の環境で試行錯誤しながらサバイバルをする経験は、きっと一生の財産になります。ぜひ、デポーに一生の財産を探しにくてください!