リベラルアーツ・カレッジについて

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卒業生からのリベラルアーツ・カレッジのすすめ

当奨学金の卒業生ほぼ全員がリベラルアーツ・カレッジに進学・卒業してよかったといいます。 卒業生のリベラルアーツ・カレッジを薦める声を掲載します。 リストからタイトルをクリックしてレポートをご覧ください。

「より良く生きるために ―人生の基礎作り」 早藤 昌浩

留学先大学:Brown University (ロードアイランド州) 1985年卒業
専攻:Mathematical Economics
大学院:University of Oxford, U.K. (M.Sc., Economic History)
出身高校:京都府立洛北高等学校
職業:国際公務員 (世界貿易機関(WTO)エコノミスト)




留学体験
高校時代に一年間オハイオ州の高校に留学していた。すばらしい一年だったが、やり残したことが多いと思い大学もアメリカに行きたいと思った。幸いグルー奨学生に選ばれ、ブラウン大学に行くことになった。
最初は物理を中心に2年生まで勉強していたが、だんだん興味が社会科学に移ってきた。
ブラウンは自分の専攻分野を相当程度自由に選べるので、紆余曲折したが、結局のところ数理経済学専攻で卒業した。
専攻といっても、それ以外の科目が自分の選択で多く履修できるのがリベラルアーツ教育のいいところだ。学生にはCourse Announcementという授業カタログが配布され、これをじっくり読みながら自分のカリキュラムを作り上げていった。小生も、英語学、歴史学、心理学、政治学、言語学などを楽しみながら学ぶことができた。
米国人や世界各国からの留学生とこうした「人生の基礎作り」を共時体験することにより、人々の考え方や価値観を知り、一生の友人を得ることができたのは何ものにも換えがたい貴重な経験だったと感謝している。


卒業後の仕事
卒業後のことは漠然としか考えていなかったのだが、日本の官庁から派遣されてきた大学院生の方々と知り合いになり、国家公務員はやりがいがありそうだと思うようになった。それで、ブラウン卒業後、国家公務員一種試験(経済職)を受験し、通商産業省(現経済産業省)に入省した。海外大学卒の一種職採用者は当時は珍しく、また、同時期に訪問した商社、銀行、証券等ではおおむね海外大学卒業生の認知度が低かったことには隔世の感がある。
入省後は、経済協力、繊維関連施策、経済計画の策定、地球環境問題、通商白書の執筆・編集等の業務に従事してきた。この10年間はジュネーブのWTO事務局で、主に加盟国・地域の貿易政策に関する報告書作成に従事している。
思うように仕事に反映できたかどうかは別にして、ブラウン留学時に学んだ、「多様性の中で自己主張を有効たらしめるには」という課題に気を配る習慣が、仕事を進める上での良い基礎となってきたのではないかと思っている。

また、社会人を21年やってきて痛感するのは、デファクト国際語である英語が使え(特に、書け)、多様な人々とコミュニケーションが取れ、かつ専門能力に明るく、よって、プロとしての能力を国際社会で存分に発揮できる日本人は極めて希少価値があるということだ。そうした人材がリベラルアーツ教育を経て、国際社会に多く登場してこられることを願うものである。


リベラルアーツについて
知識というものは膨大だ。人の一生は有限であるので、世の中に貢献できる水準の知識を蓄えるためには専門化がどうしても必要になる。だから、例えば医師になるには長い年月のトレーニングが必要であり、エコノミスト、伝統工芸職人、牧師、保母、その他いかなる職業に関しても同様である。
リベラルアーツ教育は、多様な知的世界を知ることで、自分が将来どの専門・職業に進んでいくのかを見極めるための貴重な課程だ。一方、大学院で専門に進んだり、人様からお金を頂戴する職業に一旦従事してしまうとそれ以外に時間を割くことは大学生時代よりはるかに困難になる。
しかし、プロの能力を生かすために必要なこと、人間として良く生きるために必要なことは、専門以外の幅広い教養であり、他者との良い交わりだ。リベラルアーツのキャンパスでは、幅広い知的好奇心を満たすためのインフラが整っており、自分が今まで知らなかった分野に興味を持つ人々と接する機会も時間もふんだんにある。人生の基礎を着実に築き上げるために、リベラルアーツ教育は極めて有益であると信ずる、というより、是非この機会を摑んでいただきたいと思う。

(2007年記)

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